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自分と同じ悩みを持った中高生を支えたい
試行錯誤の上開拓した「新しい居場所」とは

 あなたは、他者からの評価や、他者が自分に持つ印象について過剰に気にする、という経験をしたことがありますか。とあるデータによると、2人に1人以上の中?高?大学生が「他人からの評価や見られ方をより大切にする」といった価値観を持つようです。そのような悩みを抱えた中高生を支えたいと、本学の学生が昨年から「中高生の居場所作り」に取り組んでいます。今回はそのプロジェクトの代表である高塚美羽さん(人文社会科学部?2年)にインタビューしてきました。話している中で、このプロジェクトに対して、彼女自身の経験に基づいた情熱が垣間見えました。
(取材?構成 茨大広報学生プロジェクト 朝倉 久瑠美 (人文社会科学部2年))

プロジェクトの代表である高塚美羽さん

―「中高生の居場所作り」をテーマにしたプロジェクトについて詳しく教えてください。
 このプロジェクトは317()にプレオープンを迎える自習室×コミュニティスペース「自由室みちの」(末広町)の完成&運営を目標に取り組んでいます。このプロジェクトの存在をサークルの友人から聞いて参加しました。今はリーダーとして設計や資金集め、宣伝のための短期イベント開催を行っています。
 中高生が水戸市民会館や水戸駅で勉強する姿をよく見かけます。しかし、その2カ所は中高生にとって「居場所」と言えるのでしょうか。「自由室みちの」は古民家といった比較的アットホームな空間であり、中高生に「安心感」をお届けできるのではないかと考えています。

自由室みちの

―なぜこのプロジェクトに興味を持ったのですか。
 私自身の経験と重なる部分があり、プロジェクトの理念に共感したからです。というのも、小学生の時は小学校が私の居場所の1つであるという感覚を持っていたのですが、中学生?高校生になって、だんだん「学校」そのものが「安心できる場所」ではなくなったという印象を持っていたのです。どこか他人に見定められているような、そんな緊張感がずっと心に留まっていました。私と同じような気持ちを抱いている中高生にも「安心感」を届けたいという気持ちがプロジェクトの話を聞く中で強くなり、参加しようと思いました。

―中高生が「安心感」を抱くように意識したことはありますか。
 チューターに来てくれる大学生にはネームプレートを用意し、名前や好きなもの、得意分野を書いていただこうと考えています。私は、中高生が悩みを相談するという行為に関して、その裏に並大抵ではない勇気を振り絞っているのではないかと考えています。その勇気を裏切らないためにも、中高生に似合った相談役が、ネームプレートを通して少しでも見つかることができたらと思います。
 また、「自由室みちの」の中には様々な空間を設けています。畳を敷いた小上がりのスペースもあれば、外を見ながら読書する席があったり、カウンターで壁と向き合ってPC作業ができる席もあったりします。自分の使い方に合う場所を提供できるのも「居心地の良さ」に繋がるのではないかと考えています。

カウンターで壁と向き合ってPC作業ができる席

―このプロジェクトに対する中高生の反応があったら教えてください。
 「自由室みちの」を宣伝する中で、近くのバス停でビラ配りを行いました。その時に「へぇ自習室できるんだ!」と、好印象を持ってくれる生徒がいて。ターゲット層でもある中高生にも刺さった!と思って嬉しくなりました。
 安全性についてもちゃんと知ってもらうと思って高校訪問もしました。そこでは8割の先生方から肯定的な意見を得ることができました。これまで色々な方に「応援しているよ」とか「支援するよ」と声をかけていただけたのですが、経営者の方々が多く、運営面や資金巡りの現実性を見られることが多かったのです。上に述べたエピソードは実際に教育分野の第一線にいる方々からのコメントだったため、その分野でもこのプロジェクトは有意義なものだったのだなと心に沁みました。

インタビューを受ける高塚さん

取材後記

 彼女の友人としてここまでの活動を見てきた私にとって、彼女の活発さやフットワークの軽さを兼ねてより尊敬していました。周りを巻き込むというよりかは、周りが自然と彼女に手を差し伸べたい、巻き込まれたいと思わせる、そのような力が彼女にはあるのではないかと思いました。その才能は中高生にとって「頼りになるお姉さん」のような印象を持たせ、安心感をもたらす大きな要因となるでしょう。今後の活躍に期待しつつ、友人としては「自習室みちの」が軌道に乗り次第、少し自分労りタイムを取ってほしいなと思います。

(取材?構成 茨大広報学生プロジェクト 朝倉 久瑠美)